【Python入門】PythonのOrderedDictとは?使い方と活用方法を徹底解説(Python 3.11)

Python

はじめに

Pythonは、プログラミング初心者から上級者まで幅広く利用される言語です。特に、データ構造としての辞書(Dictionary)が非常に便利ですが、Python 3.7以降では通常の辞書でも順序が保たれるようになりました。しかし、順序付き辞書として特に便利な機能を持つOrderedDictについても理解することは重要です。この記事では、OrderedDictの使い方やその特徴を詳しく解説します。

OrderedDictとは?

OrderedDictは、Pythonのcollectionsモジュールに含まれるデータ構造で、通常の辞書と同様にキーと値のペアを保持しますが、追加した順序を記憶する特徴があります。これにより、データの順序が重要な場合に便利に利用できます。

OrderedDictの基本情報

  • 定義: 順序付き辞書で、追加した順序を保持します。
  • モジュール: collectionsモジュールに含まれています。
  • バージョン対応: Python 3.7以降では通常の辞書でも順序が保たれますが、特定の機能が必要な場合はOrderedDictを使用します。
  • 操作方法: 通常の辞書と同じインターフェースを持ちます。

OrderedDictの特徴/良い点/悪い点

特徴

  • 順序保持: 要素の追加順序を記憶します。
  • 辞書のサブクラス: 通常の辞書と同じインターフェースを持ちます。

良い点

  • 順序管理: データの順序が重要な場合に便利です。
  • 柔軟性: 要素の移動やソートが可能です。

悪い点

  • パフォーマンス: 通常の辞書と比べて若干重い場合があります。
  • 必要性: Python 3.7以降では通常の辞書でも順序が保たれるため、特定の機能が必要な場合以外は不要です。

OrderedDictの新規作成の方法

from collections import OrderedDict

# 空のOrderedDictを作成
od = OrderedDict()

# 要素を追加
od['key1'] = 'value1'
od['key2'] = 'value2'

print(od)  # OrderedDict([('key1', 'value1'), ('key2', 'value2')])

OrderedDictの作成の方法(他のデータ型からの変換)

from collections import OrderedDict

# リストからOrderedDictを作成
list_items = [('key1', 'value1'), ('key2', 'value2')]
od = OrderedDict(list_items)

print(od)  # OrderedDict([('key1', 'value1'), ('key2', 'value2')])# 辞書からOrderedDictを作成
dict_items = {'key1': 'value1', 'key2': 'value2'}

# Python 3.7以降では順序が保たれるので注意
od = OrderedDict(dict_items)

print(od)  # OrderedDict([('key1', 'value1'), ('key2', 'value2')])

OrderedDictの削除の方法

from collections import OrderedDict

od = OrderedDict([('key1', 'value1'), ('key2', 'value2')])

# キーを指定して要素を削除
del od['key1']

print(od)  # OrderedDict([('key2', 'value2')])

OrderedDictのプロパティ一覧

名称機能説明計算量(オーダー)
keys()キーを返すO(n)
values()値を返すO(n)
items()キーと値のペアを返すO(n)

OrderedDictの関数一覧

名称機能説明計算量(オーダー)
move_to_end(key, last=True)指定したキーを末尾(または先頭)に移動O(n)
popitem(last=True)末尾(または先頭)の要素を削除して返すO(1)
update()辞書やキーワード引数で更新O(n)

OrderedDictの比較

  • 通常の辞書: Python 3.7以降では順序が保たれるが、特定の順序操作はできない。
  • OrderedDict: 順序操作が可能で、追加順序を保持する。
  • 使用シーン: データの順序が重要な場合や、特定の順序操作が必要な場合にOrderedDictを使用。

まとめ

OrderedDictは、データの順序を重要視する場合や、特定の順序操作が必要な場合に便利なデータ構造です。Python 3.7以降では通常の辞書でも順序が保たれるため、特定の機能が必要な場合にのみ使用することが推奨されます。